登大路・至高のひと皿

Vol.15 活帆立貝とセープ茸の殻包み焼き トリュフバターソース

『帆立とキノコと野菜の協演』
帆立の貝柱を芳醇なソースとキノコの王様と

活帆立貝とセープ茸の殻包み焼き トリュフバターソース 主役である帆立貝は、日本や中国のみならずヨーロッパでも人気で、フランスでは帆立の貝柱を「la noix de saint jacques」と呼びます。サン・ジャックは帆立貝、ノワは木の実のクルミ。貝柱をクルミに見立てた、フランス人らしいエスプリを感じる名称です。日本人はヒモや肝も楽しみますが、ヨーロッパでは貝柱のみを食べます。特にフランスでは「コキーユ」と呼ばれる、殻を器にしたベシャメルソース仕立てのグラタン料理がポピュラーです。

冷たい海に揉まれて育ち、食べ応えのありそうな帆立貝を今回は選びました。よく合うのが、キノコの王様とも呼ばれるセープ茸。イタリアではポルチーニの名で親しまれている高級キノコです。ちなみにポルチーニは“子豚たち”という意味。特徴的なずんぐり体型からつけられたようです。かつて日本ではポルチーニのドライが主流でしたが、近年は生も手に入るようになりました。松茸にも似た独特の歯ごたえを生かしたいので厚めにスライス。貝柱に添えて殻包み焼きにします。ガルニチュール(付け合わせ)は人参、インゲン豆、オニオンなどのジュリエンヌ(千切り)。食材からあふれ出すエキスを一滴も漏らさぬように、殻の周囲をパイ生地で縁取りして密閉。オーブンで焼き上げて、熱いうちに客席にお持ちします。

お客様の目の前でザクザクとパイを割る時にはバターの香りが広がり、殻を開けた直後には帆立と野菜の甘い香りが漂います。そこに回しかけるトリュフバターソースは、セープ茸と共に世界三大キノコに数えられる黒トリュフを粗みじんにして、トリュフジュースとバターで仕上げるリッチなもの。これを注ぐ瞬間には磯の香りと森の香りが混然一体、という風に時々で変化する香りも楽しみのひとつです。貝柱は、活物ならではのプリッとした歯ごたえが感じられるように火加減を工夫しました。野菜とキノコ、コク深いソースを貝柱にまとわせてお召し上がりください。

※「活帆立貝とセープ茸の殻包み焼き トリュフバターソース」は12月~2月のディナーメニューMenu Specialite 18,000円(22,770円)の一皿としてご用意しています。
※(  )内の料金は税・サービス料を含みます。
※食材の入荷上の都合上、メニューを変更することがございます。予めご了承ください。

★以下では12月のMenu Specialiteコースのお料理の一部をご紹介いたします

①「竹炭のパンドミに並べた卵黄と紅ズワイ蟹とマグロのタルタル キャビアを添え クリアなトマトエッセンスのヴェールをかけて」
デザイン性のあるオードブル。そっと盛り付けたクリアなトマトのヴェールもお楽しみください。
②「鮑の薄切りと結崎ネブカ ビーフコンソメを注いで」
川西町結崎で栽培される葉ネギで、大和の伝統野菜の一つである結崎ネブカは、柔らかくて火を通すことでさらに甘みが増します。その甘みを十分に引き立たせた逸品です。
③「ベーコンで巻いたアンコウのロティ 古代ひしお香る蕪のアンブーレ」
淡白であっさりとしたアンコウを使って、スタイリッシュに仕上げた一皿。古代ひしおの香りとともに、古都奈良で過ごす夜を優雅にご堪能ください。
④「黒毛和牛フィレ肉のグリエ 赤ワインソース 十津川村上湯川産なめこと宇陀金ごぼう添え」
旨みの強い黒毛和牛フィレ肉に、芳醇な赤ワインソースを合わせました。付け合わせにも奈良の食材を織り込んだメインディッシュ。

総料理長 仙石 耕一

フランスで三つ星レストランでの研修の後、くろよんロイヤルホテル料理長、リーガロイヤルホテル(大阪)レストランシャンボール スーシェフを歴任。

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