登大路・至高のひと皿

Vol.17 シェフ仙石のスペシャリテ 毛蟹のビスクと白いんげんのピュレ 奈良県産広陵サラダ茄子、リ・スフレ、キャビア添え

『旨み凝縮、食べるスープ』
フランス伝統のレシピに
中東風の隠し味を忍ばせて

毛蟹は、ズワイガニ・花咲ガニ・タラバガニと共に、日本では4大食用ガニに数えられています。主な産地は北海道ですが、能登半島周辺や宮城県沖などにも良い漁場があり、それぞれに旬が異なります。大きめのサイズでも甲羅は大人の拳大。そこまで成長するのに10年近くの年月が必要です。

名前が示す通り、体中にはトゲのような毛がびっしり生えています。理由はよくわかっていませんが、やわらかな殻を守るため、水の流れから周囲の気配を敏感に察するためなどといった説があります。身質は繊維が細くて口当たり良く、深い甘みがあります。ミソが濃厚でクリーミーなのも毛蟹の特徴。その味わいを丸ごと生かせるのがフランス生まれのスープ「ビスク」です。一般的には伊勢エビを使いますが、今回はより贅沢感が味わえる毛蟹をセレクト。スープと言っても、飲むというより食べる感覚の温かな一皿に仕立てました。

活けの毛蟹はエラだけを取り除いて砕きます。ニンニクの香りをつけながらソテーして、コニャックでフランベ。トマト、鯛の骨のだしなどを加えてじっくり煮込みます。トロリと濃厚なビスクのパートナーには、果実並みの水分が滴る奈良特産の生食用の広陵サラダ茄子を選びました。梨のようなサクッとした食感がアクセントになっています。

ビスクのポイントは豊かな香りと凝縮された旨み。ただ、それだけでは単調になりがちなので、混ぜながら味わうとより複雑な風味が堪能できる白いんげんのピュレを添えています。サラダ茄子のフレッシュ感やキャビアのプチプチ感、もち米の加工品であるリ・スフレのカリカリ感、遊び心のある食材とビスク、それぞれの相性をお楽しみください。ピュレには、中東発祥の南仏でも人気のミックススパイス「デュカ」を隠し味として加えています。鼻腔をくすぐる、エキゾチックなフレーバーに、外国旅行気分を味わっていただければと思います。

※「毛蟹のビスクと白いんげんのピュレ 奈良県産広陵サラダ茄子、リ・スフレ、キャビア添え」は6月~8月のディナーメニューMenu Specialite 18,000円(22,770円)の一皿としてご用意しています。
※(  )内の料金は税・サービス料を含みます。
※食材の入荷上の都合上、メニューを変更することがございます。予めご了承ください。

★以下では8月のMenu Specialiteコースのお料理の一部をご紹介いたします。

①「縞鯵のマリネと鱧の炙り 青胡椒のマリナード 焼き野菜のサラダと共に」
色鮮やかなオードブル。旬の食材を視覚でもお楽しみください。

②「とうもろこしのクリームとマドリード風コンソメジュレ 合鴨フォワグラテリーヌのラペをのせて」
クリームとコンソメの優しいハーモニー。合鴨フォワグラとともに贅沢感も味わえる食べるスープです。

③「スズキと鮑のポワレ 千筋みずなと香味野菜のシェリーヴィネガーマリネ」
ヴィネガー仕立ての付け合わせが、鮑の旨みをより一層引き立てます。

④「黒毛和牛フィレ肉のグリエ シャインマスカットとポルト酒ソース ポテトと黒トリュフのクロケット添え」
こだわりのソースは旨みの強いフィレとの相性が抜群です。

総料理長 仙石 耕一

フランスで三つ星レストランでの研修の後、くろよんロイヤルホテル料理長、リーガロイヤルホテル(大阪)レストランシャンボール スーシェフを歴任。

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