登大路・至高のひと皿

Vol.18 シェフ仙石のスペシャリテ 大和肉鶏と合鴨フォワグラと黒トリュフのトゥルト ソース・ルアネーズ

『エキスとフレーバーを封じ込めて』
奈良が誇るブランド鶏で
伝統のパイ料理を

鴨、豚、仔牛、フォワグラ…、旨みの濃い肉類をパイ生地で包む「トゥルト」はフランス伝統の料理で、数々の料理人たちが独自のアレンジを加えてスペシャリテを編み出してきました。私も幾通りものトゥルト料理を作ってきましたが、今回使うのは奈良県で育った銘柄地鶏「大和肉鶏(やまとにくどり)」。一般的なトゥルトはホールサイズを切り分けますが、食材から出る芳醇なスープを逃がさぬよう、1人用のサイズに仕立てました。

名古屋種とシャモ、ニューハンプシャー種を交配させた大和肉鶏は、太陽の光を浴びてきれいな水を飲み、のびのびと育てられます。一般的なブロイラーの倍近い生育期間をかけるため、しっかりした肉質になり、甘みや旨みがのるのがポイントです。フランス三大高級食用鶏のひとつに数えられる黒鶏「プレノワール」にも似た、赤身系のワイルドな味わいが楽しめます。

はじめに、3時間かけて仕上げる大和肉鶏モモ肉のコンフィを角切りにし、生クリーム、少しの卵白などを加えて口当たりがしっかりめの大和肉鶏のムースを用意します。そのムースで、粗めに刻んだ黒トリュフをたっぷりまぶしたフォワグラのテリーヌを包み込みます。発酵バターを織り込んだパイ生地で全体を覆い、熱々がサービスできるよう、お客様のタイミングを計らいながら、15分かけて焼き上げます。

注目していただきたいのは、トゥルトにナイフを入れる瞬間です。大和肉鶏にフォワグラ、トリュフとバターが渾然一体になった食欲をそそる香りと、あふれだす透明なスープ。ソースは、鴨の産地として知られる、ノルマンディ地方の都市・ルーアンでおなじみの“ルアネーズ”。赤ワインをベースに、鴨のフォン(だし)などで仕込みますが、特徴はバターとフォワグラテリーヌを仕上げに足すこと。これがソースに一層の深みを与えます。軽い食感になるよう、薄く仕上げるパイ生地との相性も抜群です。

※「大和肉鶏と合鴨フォワグラと黒トリュフのトゥルト ソース・ルアネーズ」は9月~11月のディナーメニューMenu Specialite 18,000円(22,770円)の一皿としてご用意しています。
※(  )内の料金は税・サービス料を含みます。
※食材の入荷上の都合上、メニューを変更することがございます。予めご了承ください。

★以下では9月のMenu Specialiteコースのお料理の一部をご紹介いたします。

①「鱧と舞茸のブルギニョン 三輪山本手延べパスタ麺の冷たいトマトクリームソース」
奈良の食材「三輪山本手延べパスタ麺」をフランス料理に取り入れた一皿。鱧と松茸が一足早く秋を感じさせてくれます。

②「オマール海老とまながつおのポワレ 奈良県産ハーブのディアブル風 ヴェルモット酒のクリームソース」
こだわりのクリームソースは魚との相性も抜群。美しく彩りもお楽しみください。

③「黒毛和牛フィレ肉のロティと大和丸なすのボンヌ・ファム風」
旨みの強いフィレ肉には濃厚なソースを合わせて、力強いメインディッシュに。

④「奈良県産いちじくの赤ワイン煮とトーストしたカステラ バニラアイスクリームを添えて」
赤ワイン香るいちじくのデザート。カステラの下に隠れている、ルビーチョコレートのムースがアクセントです。

総料理長 仙石 耕一

フランスで三つ星レストランでの研修の後、くろよんロイヤルホテル料理長、リーガロイヤルホテル(大阪)レストランシャンボール スーシェフを歴任。

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