登大路・至高のひと皿

柑橘のさわやかな香りと魚貝のコク 相性抜群の食材を取り合わせた 華やか、軽やかな春の魚料理。

『旨みを存分に味わう、フランス伝統の蒸し料理』
キンキのとろけるような食感と
バラエティに富んだ山の幸が響き合う

大きな目と赤い体色、背びれの一部に見られる黒斑が特徴のキンキは、北海道から駿河湾までの太平洋側に分布。水深100~1000mの海底に棲む白身魚です。かつては底引き網やはえ縄漁で漁獲されましたが、乱獲のため現在は漁獲高が激減し、大型の物は特に高値で取引されています。脂肪分が多い魚の代表格ですが、そのままでは少しくどいので、あらかじめ油抜きをしておきます。

「エテュベ」とは“蒸し煮”を意味するフランス語です。日本では蒸し煮とひとくくりにしますが、フランスでは区分されていて、水分を入れない蒸し煮は「エトゥフェ」。加える水分量によって「プレゼ」、「ポシェ」と呼び方が変わります。「エテュベ」は水分を控えめに蒸す調理法のことで、今回は水分として、あさりを白ワインで蒸した際の煮汁にフュメ・ド・ポワソン(魚のだし)、オリーブ油、バターを合わせたものを使います。

材料名だけを見るとこってりした料理に思えるかもしれませんが、実は正反対。ソースの味わいはさっぱりと軽やかです。その訳は、キンキの白いワタ(内臓)部分をていねいに取り除き、茹でこぼしてジュリエンヌ(千切り)したオレンジの皮と果肉をたっぷり加えるからです。ただし、多く入れれば良いという訳でもなく、バターやオリーブ油などの油脂分とのバランスが大切です。玉ネギは甘み、コゴミや菜の花などの山菜は複雑な風味を出してくれます。食感のポイントになるのが、キュッとした歯ごたえのモリーユ茸です。日本ではアミガサ茸の名で知られていますが、フランスでは春を告げる高級茸。より香りが濃厚な乾燥品を戻し、贅沢に散らします。

火入れは180度のオーブンで15分間。その間、繰り返しソースをすくって全体に回しかける「アロゼ」を行います。表面が乾くたびにアロゼしてキンキの身にしみこませるのです。その手間の成果、コラーゲンたっぷりのとろける身質をお楽しみください。


※「キンキとあさり貝とモリーユ茸のエテュベ オレンジ風味」は3月~5月のディナーメニューMenu Specialite 18,000円(22,770円)の一皿としてご用意しています。
※(  )内の料金は税・サービス料を含みます。
※この一皿は、2名様以上でお申し込みください。
※食材の入荷の都合上、メニューを変更することがございます。あらかじめご了承ください。

旬の食材の旨みを、春らしく華やかに、軽やかに。フランス料理らしく、ソースの味わいも大切に。手間を惜しまないその丁寧なこだわりを、デクパージュでの臨場感溢れるサービスでもお楽しみいただきたい。

総料理長 仙石 耕一

フランスで三つ星レストランでの研修の後、くろよんロイヤルホテル料理長、リーガロイヤルホテル(大阪)レストランシャンボール スーシェフを歴任。

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