登大路・至高のひと皿

『伝統×繊細な火入れ×注目食材』
話題を呼んでいる北海道産エクルヴィスと
2種の食感で魅せるウサギ肉を伝統のソースで

フランスの中東部に、エクルヴィス(ザリガニ)の名産地としても知られるナンチュアという町があります。名物はナンチュア・ソース。エクルヴィスを殻ごと炒め、コニャックでフランベした後に、白ワインを加えて煮詰めます。さらにトマトの果肉や果汁、香味野菜を足して、カラカラになるまで炒めてからフュメ・ド・ポワソンを加えて煮詰め、ミキサーで粉砕して濾し取るオレンジ色のソースです。

そんなナンチュア・ソースを、今回は“レイクロブスター”の別名を持つ、北海道産エクルヴィスで仕立てます。正式にはウチダザリガニという和名を持つアメリカ由来の種で、在来種が7cm前後なのに対して、大きい個体は20cmにも達します。胴体はもちろん、爪の先にまでしっかり身が詰まっていて、まさに小さなロブスター。自然界に放たれることを避けるため、生きた状態で仕入れるには営業許可書を提出することが求められます。

フランスでは、ひね鶏を蒸してナンチュア・ソースをたっぷりかける料理が親しまれています。それをさらにグレードアップさせるため、鶏と肉質が似ていて、味の良さでも知られるフランス産ウサギ肉を使います。

ウサギ肉は関西ではまだ馴染みが薄いかもしれませんが、東京では多くのレストランで提供されていて、食肉用に飼育されている物をラパンと呼びます。背肉を開き、トリュフをたっぷり刻み入れた鶏胸肉のムース、フォワグラのテリーヌ、サッと火入れしたウサギの腎臓を芯にしてロール状に。表面を香ばしく焼き上げてから、スチームコンベクションオーブンで中心部の温度を測りながらしっとりした食感になるように火入れをします。

背肉はやわらかく、きめが細い。脇腹肉はプリッとした歯ごたえ。2種の異なる食感が楽しめるウサギ肉のクセのない味わいに、上品なコクを持つソースとフォワグラの旨みが寄り添う一皿です。ラパンに秘められた魅力を知っていただく機会になればと思います。

※「トリュフ、フォワグラ、北海道産エクルヴィスを詰めたウサギ背肉のロティ ナンチュア風」は9月~11月のディナーメニューMenu Specialite 18,000円(22,770円)の一皿としてご用意しています。
※(  )内の料金は税・サービス料を含みます。
※食材の入荷の都合上、メニューを変更することがございます。また、3日前までにご予約をお願いします。

総料理長 仙石 耕一

フランスで三つ星レストランでの研修の後、くろよんロイヤルホテル料理長、リーガロイヤルホテル(大阪)レストランシャンボール スーシェフを歴任。

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