登大路・至高のひと皿

『際立つ個性をキャビアが取り持つ』
~渾然一体にうっとりと~
キャビア、ラングスティーヌ、クレープパルマンティエ 旬の野菜と共に

登大路・至高のひと皿 vol.8 フランス人は日常的にジャガイモを食べますが、かつてはそうではありませんでした。18世紀にそのきっかけを作り、栄養価の高いジャガイモの普及に生涯をかけたのは、農学者のパルマンティエ。その功績ゆえ、ジャガイモを使う料理には彼の名を冠することがあるのですが、この小型のクレープもそのひとつ。裏ごししたジャガイモに生クリームなどを加えた、とろみのある生地を、すましバターでこんがり焼き上げます。

合わせるのは、火入れするとハリのある身がほんのり紅色に変わる、ニュージーランド産のラングスティーヌ。オリーブオイルで中心部にはレア感が残るように軽くソテーをして、熱々のクレープパルマンティエと交互に重ねていきます。

クレープはふっくら、ラングスティーヌはプリッとした食感に仕上げていますので、周りを彩る野菜は、歯ごたえを感じるものを選びました。コゴミやウルイ、タラノメといった山菜。スナップエンドウやソラマメなどの豆類とアスパラガスを鮮やかな緑色になるよう、それぞれに火を通し、持ち味である甘みや苦み、シャキシャキした食感などをきちんと残しています。

さて、今回の主役であるキャビアを、どんなソースに合わせようかと考えていた時。私の古巣であるリーガロイヤルホテル(大阪) 「レストラン シャンボール」の名物料理、「オマールブルーのサラダ仕立て キャビアソース」を思い出しました。そのスペシャリテへのオマージュを込めて、フランス料理の基本でもある白ワインのバターソース「ブールブラン」をセレクトしました。

まろやかな酸味と豊かな風味を感じる温かなソース。フレッシュ感あふれる旬の野菜。ギリギリの火入れで引き出されるラングスティーヌの甘み。表面はカリッと、中はスフレのような食感のクレープ。食材の持つさまざまな個性を、キャビアの塩味が取り持ちます。

※「キャビア、ラングスティーヌ、クレープパルマンティエ 旬の野菜と共に」は3月~5月のディナーメニュー18,000円(22,356円)のひと皿としてご用意しております。(食材の入荷の都合上、予告なくメニューを変更することがございます。予めご了承ください)

① 希少価値の高い、大きめのラングスティーヌだけを使う。殻を剥いて身だけを取り出し、ワタなどをキレイに取り除く。
② ボイルしたジャガイモを裏ごしし、少量の小麦粉でつないだ生地を、直径5センチ程度の大きさに流し、キツネ色に焼き上げる。
③ 山菜や新鮮な春野菜はさっと茹でて、鮮やかな緑色に。それぞれの歯ごたえや持ち味がわかるように仕上げ、ひと口大に。
④ ラングスティーヌとクレープをバランスよく重ね合わせ、その上や間にフランス産キャビアをたっぷり。温かいソースをかける。

総料理長 仙石 耕一

フランスで三つ星レストランでの研修の後、くろよんロイヤルホテル料理長、リーガロイヤルホテル(大阪)レストランシャンボール スーシェフを歴任。

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