登大路・至高のひと皿

Vol.1 佐々木料理長のご紹介 ~ひと皿にかける熱き想い~

『私が大切に思うこと』

舌より鼻の方が、料理を味わうにはむしろ大事な器官なのではないかと思うことが、時としてあります。 美味しいものを記憶に刻みつけるには、舌はもちろん鼻が機能してくれなければならないのですが、 味覚と嗅覚を満足させることは容易ではありません。
たとえばタイムやセルフィーユ。心地よい香りを持つこれらのハーブを、前菜からメイン料理まで、 コース全体を通して使うことがあります。アミューズやオードブルといったスタートは軽く。 徐々に香草の量を増やし、最後はタイムで燻して香りを存分にまとわせた黒毛和牛の料理をお出しします。 印象深く、忘れがたいコースにするのが狙いですが、行き過ぎては台無しになってしまいます。 嗅覚には、性別による違いや好みの差もありますから、そのさじ加減が大切です。
味付けも同じです。程よい塩加減のことを「良い塩梅」と申しますが、塩加減は特に気を遣い、 ギリギリまで攻めます。これは塩辛い料理を作るという意味ではありません。 気弱な塩加減は食材の持ち味を生かせないばかりか、全体をボケた印象にします。 美味しく食べていただくための微妙な塩梅を意味します。もちろん、「薄い塩加減で・・・」などのお客様の リクエストにはお応えしております。

鯛のマリネ 正倉院ぶどう紋見立て、キャビア添え

視覚に訴えることも大切です。奈良に居を構える私どもがインスパイアされるのは、正倉院の宝物。 ギリシャ・ローマから伝わった“ぶどう紋”から着想を得て盛り付けたオードブルは、大変好評を博しています。

奈良では大和野菜をはじめ、多くの農作物が栽培されています。ハーブ類も葛城にある農園で育った物を使っています。 多くの良きモノに囲まれている奈良。今後もさまざまな方向から紹介していきたいと思っています。

総料理長 佐々木 正秀

ホテルリッツをはじめ、3つ星レストラン、本場フランスでの研修を重ね、リーガロイヤルホテル総括総料理長を歴任。

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