エッセイ『登大路・往来記』

エッセイ一覧

第7回 初冬 女帝の願い 時を超え
東大寺お水取り

奈良は、私の作品で『天平の女帝 孝謙称徳』を書くため足繁く通った土地だが、主人公との縁は書き終えればおしまいというのではなく、むしろ完成させてからの方が深まっていくようで楽しくなる。たとえば東大寺のお水取りで知られる「修二会(しゅにえ)」。今年で1266回も続く伝統行事だが、執筆前には気づかなかったのに、改めて訪ねてみると、ここにも女帝の影が色濃く浮かび上がってくる。というのも、第一回の法要が行われたのは天平勝宝4年(752)、まさに女帝の治世の時代なのである。

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第5回 初夏 空中散歩で天上界へ 大和葛城山の別世界にあそぶ

奈良の地形は、「ゆるやかな山に囲まれた平坦な盆地」と表現されることが多い。東に笠置山地、西に生駒金剛山地。たしかに右にも左にも山はある。でも、地面からでは、方向音痴の私はどれがどれだかいつも迷う。きっと高いところに登って奈良を一望したら、一発で納得するのだろうけどなあ。でも奈良にはそういう高層建築がない・・・。

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第3回 初冬 奈良は夜こそ魅力的 深夜の闇を神様が通る 春日若宮おん祭

奈良に遊びに来る時は、たいてい昼の明るい間に観光を終え、日暮れとともに帰っていく、というスケジュールが多いのではないだろうか。実際、お寺の拝観時間や博物館の入館時間も夕方5時にはきっかり締め出されるのだから、さもあらん。しかしそれではもったいない。本当の奈良の魅力は、日が暮れ宵闇が降りて始まる、と言っても過言でないのだ。

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