お客様の「美味しかった」の言葉を励みに。
私がこの仕事を選んだ理由
若い頃から食べることが好きだった私が料理人になる道を選んだのは、とあるテレビ番組がきっかけでした。そこで調理師学校の存在を知って迷わず進学。卒業後、狭き門として有名だった「リーガロイヤルホテル(大阪)」に就職することができました。いきなりメインダイニングに配属されて戸惑いましたが、当時の料理長に可愛がっていただき、厳しい指導の下、フランスの三ツ星レストランなどでも貴重な経験を積ませていただきました。料理人の世界は離職率も高く、覚悟のいる仕事ではありますが、手に職をつけることは将来的な安定にもつながります。そういった意味や、先輩や後輩に恵まれた点も含めて、この道を選んだ幸せを実感しています。
やっていて良かったと思った瞬間
たくさんあります。やはりお客様が美味しいと言ってくださる瞬間は何物にも代えがたい喜びがあります。それは一人でできることではなく、調理場とフロアスタッフ全員の連携がうまくいってこそ。そのためにはチームワークが大切です。当レストランはホテル内の施設ではありますが、総料理長である私自身はオーナーシェフ感覚も持っていなければならないと思っています。ホテルレベルのクオリティと、個人店のようなフットワーク、サービスの細やかさ、双方を持つレストランとして、長く愛される存在でありたいと思っています。
失敗から学んだこと
若き日にはとんでもない失敗をしたこともあります。たとえば、2,000名がいらっしゃる大宴会に備えて200リットルのベシャメルソースを私は焦がしてしまいました。その後のリカバリーはとにかく大変で、先輩たちからも大目玉を食らいました。失敗は、ふとした気のゆるみで誰にでも起こることです。だからこそ集中力を切らさず、どうすればお客様に喜んでいただけるか、想像力を働かせて一生懸命努めることが大切です。今は指導する立場でもありますが、チーム全体として気のゆるみが出ないよう、これからも互いに高め合っていきたいと思います。