登大路・至高のひと皿

Vol.2 シェフ佐々木の「シェフマルシェ ~職人の二皿~」食材の力強さが増す季節によせて

『伝統を今に…』

栽培方法を代々伝えて
【大和茄子とオマール海老、鮪、鯛のタタン仕立て】

丸茄子は、全国的には京野菜の賀茂茄子が有名ですが、奈良にも昔から栽培されている大和茄子があります。その栽培法について記された書物が正倉院に伝わっていることから、日本の丸茄子の原点と考えても良いのかもしれないと私は常々思っています。果肉が引き締まっていて、火を通しても煮くずれしにくいのが大和茄子の特長。甘みを引き出すようにソテーし、コクのある海の幸と合わせてタタン仕立てにしました。この皿の主役はあくまでも大和茄子。つやのある紫黒色の果皮を際立たせたく、ブロッコリーの花芽だけを敷き詰めた上に焼いた大和茄子を盛り付けています。野菜の色の美しさも目で楽しんで頂ければと思います。
ちなみにタタンと言えば、タタン姉妹が考案したリンゴのお菓子「タルト・タタン」が有名です。料理の世界では、セルクル型に材料を詰め、ひっくり返して皿に乗せるメニューを“タタン仕立て”と呼んでいます。

15分間つきっきり
【いとより鯛のムニエル、大和まな風味】

産地巡りもよくするのですが、若狭から下関辺りで獲れる魚をおいしいと感じることが多い気がします。なかでも、時に真鯛に勝るとも思うのが、黄色い筋状の紋が特長のいとより鯛です。身の締まった天然のいとより鯛は、骨から出る旨みや端正な脂をじっくり閉じ込めたいので、一尾丸ごとムニエルにします。

この料理の極意は“つきっきり”です。まず、フライパンにバターを溶かします。ジュワジュワ~っと、泡の出方を見て温度を判断するのですが120度ぐらいになったら、いとより鯛を入れて火を通します。溶けたバターをすくっては回し掛け、皮をこんがりと。口に含んだ時、皮はサックリ、身はふっくら、旨みがあふれ出すように焼いていきます。身の厚い魚ですから、少なくとも15分はバターを掛け続けます。
プティポワ(グリーンピース)を蒸し焼きにして作る、伝統的な付け合わせ「ア・ラ・フランセーズ」に大和まなも添えて。お客様の目前でカットし、サービスさせて頂きます。

「シェフマルシェ ~職人の二皿~」 8,000円(9,936円)

  • お野菜たっぷりサラダ
  • オードブル、メインディッシュよりお好きな二皿をお選びいただけます(内容は月替わりで上記は9月のメニュー)
  • チーズの盛り合わせ
  • シェフパティシエのデザート
  • コーヒー